神様の愛「芋の栽培」

今週のお題「芋」

 家には畑も庭もないので、サツマイモはいつも買っていました。しかし、自分で栽培できないかと考えてみました。
 南側のベランダは野菜の鉢で寸分の隙間もありません。そこで日が一日中当たらない北側のベランダで育てることにしました。
 まず腐葉土をつくるために、大きなダンボールを準備しました。枯れ葉を集めて、土と交互にダンボールに入れました。二ヶ月ほどで、腐葉土が完成しました。
 箱で買ってきた紅はるかの一本を鉢に植えて、芽出しをしました。二つの芽が出て、三十センチほどになりました。ツルを水の入ったコップに入れておいたら、根がたくさん出てきました。
 六月にダンボールの畑二つに、一本づつ紅はるかのツルを植えました。ツルはぐんぐん伸びて箱から飛び出し、葉がベランダを覆うようになりました。

 十月を迎えて、収穫が待ち遠しくなりました。ワクワクする気持ちと、日が当たらないベランダ栽培での不安が交錯しました。
 いよいよ収穫の日を迎えました。一つ目のダンボールの土を掘りました。細い根っこしか出てきません。掘っても掘っても、出てくるのは土ばかりです。
 全滅かと思われたその時に、くの字型に曲がった芋がようやく一つ現れました。その喜びと感動は言葉では表現できません。
 期待と不安をもって、もう一つのダンボールも掘りました。しかし、こちらは掘っても掘っても何も出てきません。
 けっきょく二つのダンボール畑で、収穫は小さなサツマイモ一つだけでした。とてもがっかりした結果でしたが、一つだけでも収穫できたのが、慰めでした。
 芋のツルを全て三十センチほどに切り、水を入れたペットボトルに差しました。二、三日で、全てのツルから根が出てきました。

来年に植えるための苗です。三十個ほどできました。六月まで、部屋の中で大切に育てたいと思います。
 今回のサツマイモ栽培は、この苗をつくるためにあったのかもしれないと思います。実家に畑があります。しかし最近は、猪に野菜やタケノコ、花の球根など何でも食べられてしまい、畑は空いています。対策を練って、来年はそこに植えようかと思います。
 芋が大きくならなかった原因も何が問題だったのかを検討して、来年も挑戦したいと思います。
 たくさんのサツマイモの苗をくださった神様に感謝します。