昨日、博物館に行って来ました。受付を過ぎて右に曲がると、すぐ中庭があります。苔が綺麗に生えていて、ツワブキや山茶花の花が咲いていました。
中庭のまんなかに水琴窟があります。博物館に来ると、決まってまずこの水琴窟のところに行きます。
ひしゃくで石の鉢から水をくんで、砂利石の上に水をかけます。耳を澄まして待っていると、少し遠いところから
「キーン、キーン」
と心地よい響きが聞こえてきます。目をつぶって聞くと、自分が洞窟の中にいて、天井から落ちる水滴が池に落ちて、反響しているように聞こえます。心に染み入るような音色です。この世の喧騒から離れて、どこか遠くの空間にいるような気分にもなります。
三度もひしゃくに水をくみ、砂利石にかけては、一滴、一滴と水滴が落ちて響く音色を楽しみました。時がたつのも忘れてしまいそうな心境でした。
水琴窟は、地中に大きな水瓶が埋まっています。砂利石に水をまくと、その下にある水瓶に水滴が落ちて音が響くようにつくられています。音が琴に似ているので、水琴窟という名前がついたようです。
このような趣向は、日本文化の「わび」や「さび」の世界に通ずるのではないかと思います。
水琴窟を発明したかたと、水琴窟に出会わせてくださった神様に感謝します。