川越の美術館、博物館、蔵造りの町並み巡り

f:id:hiroukamix:20191122052127j:plain 久し振りに、川越の美術館や博物館に行って来た。何か面白い企画をやっているだろうか、と期待して行ったら、石の彫刻展をしていた。
 黒御影石や赤御影石、大理石、名栗石、青石、安山岩などで空想上の生物を彫った彫刻作品が展示されていた。一つ一つが愉快で愛嬌のある顔や姿をしており見ていて飽きなかった。
 冷たい石で出来ているのに、作品から暖かみが伝わってきた。コマのように下が尖っていて、重たいのにクルクル回ったり、ユラユラと揺れる物もあり、柔軟な発想を感じた。作品に手で触ることもでき、作者の豊かな想像力や見事な創造性を肌で感じることができた。
 別の部屋では、水彩画の展示があった。作風が似ている作品が多い中に、ひときわ際立った作品を発見した。しかも、私が何度も足を運んだ所の風景ばかりだった。箱根や軽井沢、新宿御苑、千葉の海などだった。絵を見ながら、私が行った時のことを思い出して、懐かしさが蘇ってきた。絵には描かれていない、その周りの景色まで想像が浮かんできた。
 博物館では、着いたら丁度学芸員による説明が始まるところだったので、耳を傾けた。川越の歴史や文化などについて、慣れた口調でユーモアを交えながら説明してくれた。
 この博物館に来ると必ず寄る場所がある。水琴窟だ。柄杓で水を掛けると、暫くして下の方から琴のような綺麗な音がする。洞窟の中で水が滴る音を聞くようだ。心に染み渡るとても心地良い音色だ。何度も柄杓で水を汲んでは音を楽しんだ。
 川越のシンボルである「時の鐘」が三時に鳴るという話を聞いて、久し振りに聞きたくなったので、足早に博物館は回った。
 しばらく振りに、蔵造りの町並みがある通りを散歩して、三時に合わせて、時の鐘の前に行った。外国人の観光客を初め大勢の人だかりだった。三時になった。残念ながら、鐘を打つ太い棒が人間ではなく、自動で後ろに引っ張られた。そして、勢い良く鐘を突いた。三度それを繰り返した。少し味気ない気もしたが、音は本物だった。
 その後、まつり会館に寄った。川越まつりで使う実際の山車が二台展示されていた。会館の方がいたので色々尋ねて説明を聞いた。
 山車は三階建ての作りになっていて、8メートルの高さがあり、重さが5~6トンもあるという。細かく見事な彫刻が施されていた。一番上の人形がその下の幕を張った三階の台の中に入り、更に二階の台まで手動で降りて来るのだそうだ。三階と二階を上り下りするということだ。更に一階と二階の部分はグルッと回る仕組みになっていて、街中で山車同士が出会ったら、正面を向き合って競演するという。これを曳っかわせといって、祭りのハイライトだそうだ。川越に十年以上もいて、実はまだ一度も見たことがない。来年は一度見てみたいと思う。
 帰り道に、喜多院の菊まつりを見ようとしたが、すでにその日は閉まっていた。残念だったが、もう一度来週来る予定があるので、楽しみを残し川越の町を後にして帰路についた。