神様の愛「シリウス」


 毎晩、東南の空にシリウスが青白く輝いています。しきりに大きくまばたいている光が、何か私たちに信号を通してメッセージを送っているかに見えます。
「地球の皆さん、お元気ですか?」
と、いかにも語りかけているような気がします。

 シリウスは地球から見える恒星の中で、太陽を除いて一番明るい星です。大犬座にありますが、オリオン座のベテルギウスと子犬座のプロキオンと合わせて、冬の大三角を形成しています。

 星の位置を通して、ナイル川の氾濫時期を教えてくれたり、航海する船に方角を教えてくれたり、人間の生活に深く関わってきた星でもあります。

 それだけに地域によって様々な呼び名があり、その数は50以上だそうです。その特徴から、「光り輝くもの」「焼き焦がすもの」「大きな鳥」「冬星」「天国の女王」「雨星」「天狼」「猟犬」など実に様々な名前が付けられています。

 神話もたくさんあります。ギリシャ神話では、狩人オリオンの二匹の犬の一匹です。
 また別の神話では、王様から愛され、忠犬として称えられている犬でもあります。
 また地獄の番犬として伝わっている話もあります。
 何故か犬にまつわる話が多いのが特徴です。

 たった一つの星の中に、たくさんの物語があります。冬の寒い夜でも寂しくないように、神様は多くのロマンと楽しみを私たちに下さったのだと思います。