③父に学んだ記憶法

今週のお題「お父さん」
f:id:hiroukamix:20200623053437p:plain 私の父は90才を過ぎていますが、記憶力が私よりも良いです。私は忘れることには自信があります。とても父にはかないません。
 父には記憶の鍛え方があります。毎日、漢字の書き取りをしています。例えば、さんずいが付く漢字を全部書き出したり、土偏の漢字を全て書き出します。実家に帰った時に試してみましたが、十個くらい書くと次が直ぐ出てきません。時間をかけて考えてやっと出てきます。私が十数個書いている間に、父は50個くらいすらすらと書いてしまいます。
 どうやって覚えるのか聞くと、さんずいが付く漢字や人偏が付く漢字でそれぞれ物語を作っているといいます。例えば、
「源から水滴が湧き沢になる。下流に激しい滝があり混沌としている。浅く清い池と深く濁った沼に満ちる。水は湖に注がれる。沖に沈没船がある。温泉のお湯も沸いている。川は河や江になり海の波となり潮となる。・・・」
 このようにして、覚えていると言います。木偏の物語や人偏の物語もあります。
 漢字の他に、その日の天気と気温を毎日記録しています。すると、どんな日だったかを思い出し易いといいます。
 老いたから忘れっぽくなるのではないようです。頭を使わないので、忘れ易くなるようです。人間の記憶力は年に関係なく、使えば使うほど良くなるらしいです。両親とも認知症には全く無縁なのがそれを証明していると思います。