偉人の母⑥アウグスチヌスの母モニカ

f:id:hiroukamix:20200607054328j:plain 今から1600年以上前にアウグスチヌスという人がいました。彼の人生は波瀾万丈でした。16才で私生児を生み、酒に酔っては喧嘩をして、肉欲の限りを尽くして、親を泣かせてきました。
 母モニカは敬虔なクリスチャンでしたので、毎日息子の為に祈りました。涙の祈りは15年以上続きました。
 ある日アウグスチヌスの耳に、子供のわらべ歌が聞こえてきました。
「取りて読め、取りて読め」
 アウグスチヌスは目の前にあった聖書を思わず手に取って開きました。すると、そこには
「宴楽と泥酔、淫乱と好色、争いと妬みを捨てて、昼歩く様に、つつましく歩こうではないか。あなた方は、主イエス・キリストを着なさい。肉の欲を満たす事に心を向けてはならない。」(ローマ人への手紙13章13-14節)
 と書いてありました。その瞬間、彼は母の祈りを感じました。まさに自分が通って来た道と聖書の言葉がピッタリと一致したのは偶然ではなく、母の祈りがあったからだと思わざるを得ませんでした。同時に回心して、神の召命に従いました。
 どんなに離れていても、母モニカの息子を愛する切実な祈りが伝わったのでした。
 その後アウグスチヌスはアフリカで司教となり、翌年「告白」、更に「神の国」を著し、キリスト教と思想家達に大きな影響を与えました。キリスト教では聖人として、尊敬されています。
 親を泣かせた放蕩息子が、聖人になれたのは、ひとえに絶対に諦めなかった母の涙の祈りによるものでした。
 アメリカに、サンタモニカという町がありますが、「聖モニカ」という意味です。母モニカも聖人として称えられています。