今週のお題「ゲーム」
春の一つの楽しみは山菜採りだ。蕨採りは特に楽しい。あのポキッという音を聞くと、何とも言えない喜びを感ずる。最近は残念ながら、ほとんど行く機会がなくなってしまった。
子供の頃に父とよく家の裏山に採りに行った。私がまだ一本も見つけていないのに、父は何十本も採っている。とても不思議だった。
どうやって採っているのかを聞くと、去年出て枯れて茶色くなった蕨の葉をまず探すのだと言う。枯れた葉の下に、必ず今年も出ているので、見えなくても採っていたのだ。
コツが分かると面白い。蕨の新芽ではなく、去年の枯れ葉を探せば良い。緑色をした沢山の草の中から同じような緑色の蕨を探すのは難しいが、緑色の草の中から茶色の枯れ葉を探すのは簡単だ。良く見ると本当にあった。しかも去年の枯れ葉は背が高くて、周囲の草から目立っている。次から次へと見つかる。あっという間に片手に一杯になる。リュックに入れて、また探していく。何と楽しいのだろう。
しかし、実は子供の時に自分で蕨を食べることはなかった。あの独特の苦味が嫌いだった。今は勿論大好きだ。
子供の時の蕨採りは、私にとっては楽しい宝探しのゲームのようなものだったと思う。