いちずに咲く花にエール

今週のお題「応援」
f:id:hiroukamix:20200201103512j:plain 近くの畑の周りに、様々な色や種類の菊が植えてあり、去年から長い間に渡り目を楽しませていた。気がついたら、いつの間にか全ての株が切られてなくなっていた。切ったあとから、小さな芽がたくさん出ている。今年咲く新しい菊の芽だ。
 毎年、バトンを引き継ぐように、株が更新される。菊はこれを何千年、何万年と繰り返して来たに違いない。飽きずに、不満も言わず、咲き続ける菊が凄いと思った。敬意を評したい。
 ふと、菊に尋ねてみた。何故、誰の為に、ずーっと咲き続けているのか、と。美しい姿を褒めて欲しいのか?蜂や蝶に蜜を与える為か?動物や人間に酸素を上げたいのか?
 残念ながら、菊からの返事はなかった。八木重吉の詩がある。
「花は何故美しいか。ひとすじの気持ちで咲いているからだ。」
 確かに、あれやこれや考えずに、一途に生きているものは美しい。菊も、ひとすじに咲き続けているのだろうと思う。
 蝋梅は蝋のような黄色い花を咲かせ、今盛りを迎えている。紅梅もほんのりと甘い香りを漂わせながら、咲き始めている。ビワも白い花を咲かせて、実を実らせる準備をしている。スイセンは下をうつむいた小さな花が少しずつ増えてきた。どの植物も、どれほど長い間、繰り返されてきたか分からない生命の営み、その植物にエールを贈りたい。