本多静六博士(公園の父・蓄財の神様)

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 私の住んでいる埼玉県には多くの義人がいる。その一人に本多静六博士という方がいる。日本初の林学博士だ。日本の公園の父と言われる。日比谷公園大宮公園秩父羊山公園、長野の臥竜公園など、多くの公園の建設に携わっている。
 特に有名なのが、明治神宮の森づくりだ。明治神宮の周りには、人工の森がある。明治神宮は、今年で丁度百周年を迎える。何度も足を運んだが、とても広い敷地だ。池や川もあり、あやめの季節は池の周りを綺麗に飾る。明治神宮は初詣の参拝者数が日本一としても知られている。
 本多静六博士は林学や公園づくりでも有名だが、経済においても注目されてきた。生涯に渡り、収入の四分の一を貯蓄して、それを投資などに回しながら莫大な財を築いたからだ。蓄財の神様というニックネームがあるくらいだ。
 しかし、本多静六博士は、
「子孫に美田を残さず」
「社会で得たものは社会に返す」
という信念から、退職を期にその財産を県などに寄付した。志を持った学生の育英基金になっている。
 渋沢栄一の知恵袋としても頼りにされた人だった。あまり名前は知られていないが、隠れた義人だと思う。
 博士は折原家に生まれたが、元彰義隊隊長の本多敏三郎の娘である詮子と結婚し婿養子となった。詮子は、日本で四番目の女医となっている。
 また実家の折原家の庭にあった楠と親戚の久喜の白石家(百観音温泉)にあった楠は、明治神宮の入口にある大鳥居の両側に移植されている。