シュバイツァーと不思議な誤配達

f:id:hiroukamix:20200304050610j:plain 偉人や義人と言われる人達は、皆共通して不思議な出会いがある。
 シュバイツァーは牧師の家庭に生まれた。神学部の講師としての道と教会のパイプオルガン弾きの道を歩んでいた。パイプオルガンの腕はプロ並みだったという。
 ある日、彼の事務所に間違って雑誌が配達された。宛名も見ずに、お手伝いさんが封筒から出し、シュバイツァーの机の上に置いた。彼がその雑誌を取ろうとしたら、床に落としてしまった。ところが、たまたま本が開き、そのページの記事を読むと、
コンゴを担当する人がいない。主イエス・キリストは、この為に召された人物の上に、すでにその目を注いでおられる。今こそ神がその人物の上に手を置き、私達を助ける為に彼をこの地に派遣して下さるように。」
 と書いてあった。アフリカのコンゴに行く医師を兼ねた宣教師がいないが、イエスはすでに行く人物を決めている、という。普通の人なら、自分とは関係のないことだと考えておしまいだ。そもそもシュバイツァーは医師ではない。誰かもっと相応しい人がやれば良いと思って当然だ。そこが、凡人と偉人の違いだと思う。
 シュバイツァーはイエスが召された人物が自分である、と直感した。そして30才から大学の医学部で学び始め、38才で医学博士を取った。婚約者がいたが、手助けが必要だろうと、看護士の免許を取り、一緒にアフリカに出発した。
 アフリカでの困難な環境を乗り越えて、献身的医療の奉仕活動が認められ、1952年にノーベル平和賞を受けた。
 元々誤配達から始まった出来事だったが、運命のいたずらとも思えることから、劇的に大きく人生が変わるのは、不思議としか言えない。