胎教の成功と失敗の分岐点

f:id:hiroukamix:20191219054644p:plain 胎教に関する興味深い話を聞いたことがある。お母さんのへその緒を通して、赤ちゃんには酸素や血液、栄養などが送られる。
 更に重要なことは、お母さんの感情が伝わるということだ。お母さんが悲しみや怒りの思いを持つと、へその緒を通して赤ちゃんにもその悲しみや怒りが伝わるという。
 ある女性がいた。自分は音痴で恥ずかしい思いをしたので、子供を音楽家にしたいと思った。妊娠中に朝から寝るまでモーツァルトを聞いたという。買い物中も、食事を作る時も、運動をしている時も、いつでもどこでもモーツァルト漬けだった。
 いざ子供が産まれて、3才頃音楽教室に通わせた。すると、先生から意外なことを言われた。音痴だと言うのだ。
 あれほど十月十日の間モーツァルトを聞いたのに、あれは何だったんだろう、と思った。胎教は間違いなのか?
 確かに、その婦人は毎日モーツァルトを聞いていた。それでは、どれほど感動して聞いていたかを尋ねると、ただ聞き流していただけで、何の感動もなかったという。
 へその緒を通して赤ちゃんに伝わるのは聞いた音楽ではなく、感情であり、感動だ。だから赤ちゃんには音楽的な感動は何も伝わっていなかったのだ。結局お母さんの音痴で恥ずかしい思いをした感情だけがしっかり伝わってしまったようだ。