勉強にも色々あるが、感性を磨くことも大事な勉強だと思う。感性が鈍いと、人生において感動や喜びが少ない。人の気持ちが分からず、コミュニケーションにも問題が生じる。
感性を磨く為には、瞑想をすると良いという。確かに心が研ぎ澄まされ、敏感になる。ひらめきや気づきも多くなるのを感ずる。
また本物に触れると更に感性が鋭くなるという。一流の絵画を見たり、音楽を聞いたり、ミュージカルやバレーを鑑賞するのが望ましいようだ。ただ、そのような機会がいつもある訳ではない。しかし、意外と身近に本物に触れられるところがある。それは自然だ。
森や林、川や海などの自然を通して感性が磨かれていく。木がたくさん生い茂った公園でも良いと思う。東京にも代々木公園や明治神宮、新宿御苑など人工ではあるが、森や木々がある。木や草花、石は本物の自然だ。草木や石を見たり触れたり、鳥のさえずりやせせらぎの音を聞いて、感性が磨かれる。
名前は忘れたが、江戸時代に大きな老舗の幼い子供が、お金が本物か偽物かを瞬時に見分けたという。親にどんな教育をしているのか聞くと、本物しか触れさせない、と答えたそうだ。
ベビーシッターをしている知人から聞いた話がある。二軒の家の子供の世話をしている。一軒の家の子供は、お父さんやお爺さんが子供の時に使った木で作られた玩具で遊んでいる。手の感覚を通して感性が磨かれるようだ。物を大切に使い、絵を描いても良い感性が伝わってくるという。
もう一軒の家は、行くたびにプラスチック製品の新しい玩具が買ってあるが、次に行くと必ず壊れている。プラスチック製品ばかりに触っていると、感性が鈍る。壊れても、無くしても何も感じなくなり、また買えば良い、と安易に考えてしまう。その家の子供は絵を描いても、あまり良い感性が伝わってこないという。
私も、まだまだ感性が鈍いので、もっと磨かなければと思っている。一昨日に音大でオーケストラのコンサートを聞いた。少しは感性が磨かれたような気がする。
by ギノ