神様の愛「サケ」


 週に三、四回魚を食べます。サンマ、サケ、サバ、アジ、イワシ、ホッケなどです。肉も好きですが、魚のほうが健康的には良いようです。
 魚の中で、特にサケが好きです。味も良いですが、骨があまり気になりません。
 サケは不思議な魚です。生まれた川から海に出て、いくつもの海を三万キロも旅をして、四年後に生まれ故郷の川に戻ります。
 その川で産卵をして、間もなく死にます。旅のゴールで一生を閉じます。北海道やアラスカなど、寒い川で産卵をするので、卵から孵った稚魚が食べる餌の虫がいません。
 そこでサケは死んだ自分の体を子どもたちに餌として与えます。何ということでしょうか。こんな自己犠牲の愛があるでしょうか。
 動物も植物も子孫を残すことに命を懸けます。種を作ったら枯れてしまう植物も少なくありません。
 しかしサケは産卵をして死ぬだけではなく、その身を子どもに食べさせるという壮絶な最後を遂げます。
 サケを食べながら、思いました。
「あなたがたの生きざまを無駄にしません。あなたがたの命をいただく私も誰かのためにお役に立つ生きかたをします。」
 サケが教えてくれた自己犠牲の愛、それはまさに神様の愛だと思います。サケをとおして神様が、人間に大切な気づきを与えようとしているのだと思います。
「いただきます」
 のひとことは、とても重くて深い言葉だと思います。