「レ・ミゼラブル」⑤イエスの愛

今週のお題「もう一度見たいドラマ」
f:id:hiroukamix:20201218053248j:plainレ・ミゼラブル」の最終回を見ました。ジャン・バルジャンをテナルディエが助けたり、ジャベール警部が自殺したり、全て忘れていました。
 ジャン・バルジャンが最後亡くなる場面では思わず涙が流れてしまいました。しかし、それは悲しい涙ではありませんでした。とても清々しい思いがしました。
 ふと最後にジャン・バルジャンイエス・キリストと重なって見えました。恩讐を許し愛した姿はイエス以外の何者でもありません。そして、ジャベール警部がユダのように感じました。そしてジャン・バルジャンが命を救ったマリウスは、人類を象徴した立場かなと思いました。
 日本では「ああ無情」というタイトルで有名です。次から次へと災難に襲われるジャン・バルジャンを見ていると無情としか思えません。最終回を見るまでは実際私も何て無情なストーリーなんだろうと思っていました。しかし、単なる無情な人生ではなく、ジャン・バルジャンのとても美しい生き方に感動しました。今まで全く違う解釈をしていました。
 ドラマの中で、ジャン・バルジャンが教会で司教から貰った燭台が何度も出てきます。重要なシーンでは必ずと言って良いほど燭台が登場します。最後のシーンにも燭台が出ていました。
 クリスマスでキャンドル・サービスをしますが、このローソクはイエスを象徴したものだと言われます。ローソクは身をすり減らしながら、周囲に明かりと温もりを与えます。イエスも身を犠牲にしながら、真理の光と愛の温もりを人々に与えました。
 ジャン・バルジャンが燭台を盗むところからこの物語が始まりますが、作者が実はジャン・バルジャンをイエスと重ねて表現したかったのかなと思うのは、私の考え過ぎでしょうか。