新時代③物から心

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 三番目は物から心への転換について触れてみたい。
 今までは唯物論的な考え方が強かった。社会も企業も教育も、目に見えるものが中心になっていた。
 しかし、最近は目に見えない心や精神的な価値を大切にする風潮がある。絆という言葉が良く用いられるのも、心と心のつながりを重要視するからだと思う。
 山深い温泉宿で、景色も温泉も建物も食事も普通なのに、数年先まで予約が一杯だという所がある。その温泉宿のうたい文句が「夫婦や家族の絆が深まる宿」だという。愛情や精神的豊さに人が惹かれるのだ。リピーターがとても多いという。
 瞑想やマインドフルネスと呼ばれるものが病院だけではなく、企業やフィットネスクラブの中で流行っているのも、そうした傾向だと思う。心の充実や精神的安定を求める人が増えている証拠だ。それだけ不安定な時代だからだと思う。
 同じ物を売っていても、売れる店と売れない店がある。店の環境が悪くても、値段が高くても、多くの人は暗い雰囲気の店よりも明るい雰囲気の店を選ぶはずだ。
 物が豊かになった今日、物自体の価値以上に、その物を使ったり、それに出会うことにより、どんな心の幸せが得られるかが大切だと思う。