家系の盛衰③養子の家系

お題「#おうち時間
f:id:hiroukamix:20200527051114p:plain 養子が先祖にいる家系は多い。子供が生まれず養子を取る場合や、女姉妹だけなので婿養子を取る場合もある。
 その中には財産を相続できない家の次男や三男などが財産家の家に養子に行く時がある。すると、その養子は肩身が狭い思いをする事になる。そこで昔は「養子の分際で」という言葉がよく使われた。ひどい時は、養子先の家族より一段低い所で食事をした、というケースを聞いた事がある。また家に居場所がなくて、酒やギャンブルに溺れてしまったという例もある。養子を大事に迎えた家は幸いだ。
 また商家で、息子よりも娘が優秀で婿養子を取る場合もある。或いは息子よりも番頭さんが優秀で、娘の婿養子にする場合もある。商売を継ぐケースは少し事情が違う。婿養子が大切にされる。
 様々なケースがあるが、とかく養子をもらった家系は、養子を送ってくれた家系に対する御恩を忘れ易い。姓が変わってしまうので、やむを得ないかもしれない。
 しかし、養子は家の大切なものを残してくれた。それが「姓」や「家系」「子種」であったり、「財産」や「商売」であったりする。或いは、「墓守り」かもしれない。いずれにしても、養子に対して感謝しかない。
 その養子の家系を忘れたり、無視したり、蔑視しては絶対にいけない。養子を送ってくれた家系に対して感謝と恩返しの気持ちが必要だ。
 しかし残念ながら、ほとんど養子の家系が忘れ去られてしまうようだ。すると家運が衰退してしまう。何故なら一度切れかかった家系に来た養子は、その家系の新たな「根っ子」になるからだ。「根っ子」が忘れ去られると運勢がなくなる。「養子様様」なのだ。
 私の先祖にも養子がいる。私の実家のある村は親族で同じ姓が多いので、それぞれの家に屋号が付いている。本家の屋号が養子を送ってくれた家系の姓になっている。養子をくれた恩を忘れない為に、姓を屋号にしたのだと思う。しかし、実際は養子がいた事も、屋号が養子をくれた家の姓だった事も皆知らなかった。私が調べて分かった事だが、やはり文章にして残さないと、忘れ去られてしまうようだ。

続く