会いたい人②上杉鷹山

今週のお題「会いたい人」
f:id:hiroukamix:20200511050508j:plain「為せば成る 為さねば成らぬ 何事も 成らぬは人の 為さぬなりけり」
 この言葉を聞いたことがある人が多いと思う。上杉鷹山の言葉だ。この方は、第9代米沢藩主だった。当時貧乏のどん底にいた藩の政治経済を立て直し、奇跡的な繁栄をもたらした名君だ。
 生まれは日向高鍋藩主秋月家の次男だったが、9才の時に上杉家の婿養子になり、15才で藩主となった。
 養子に入った時に、米沢藩には今のお金で約150億円の借金があった。それを完済しただけではなく、織物、農業、工業、教育、医学、福祉など多くの分野で功績を残した。その多くは今に繋がっているという。
 私が一番感動したのは、藩主になったばかりの時に書いた誓い文だ。まだ15才だったにも拘わらず、
「民の父母になる。」
「間違った言行や無礼はいけない。」
「もし怠慢になったら、神罰が下り、永遠に家運が尽きても良い。」
 などと自分を戒める為の誓いを記している。凄い決意だ。また、
「国や人民の為にいる君主であり、君主の為にある国家人民ではない。」
 という言葉を残している。権力者が人々を武力や税で苦しめた時代に、その志が素晴らしかった。主権在民、民主主義の考えをすでに持っていた。
 天明の大飢饉で多くの藩で30万人以上の餓死者を出した時に、米沢藩は一人も出さなかった。2年間分の米の備蓄を始め、120種類の非常食、保存食の備えがあったからだ。鷹山は経済や産業は20年から30年計画、教育などは50年100年先まで考えて準備した。しかも経済的に全く余裕がない時から始めている。
 今私達はわずか3ヶ月くらいの騒ぎで様々な分野で行き詰まっている。鷹山のように、もっと長い目で見た運営の道を捜して、何事にも動じない社会の仕組みを作る機会だと思う。