明治神宮の森をつくり、数百億円を匿名で寄付した人物

f:id:hiroukamix:20200207045141j:plain 一月九日に本多静六博士について書いた。博士を讃える顕彰会がある。その会長がお会いして下さると言うので、博士が生まれた久喜市菖蒲町にある本多静六記念館に、三日前に初めて行って来た。
 記念館は役場の五階にあった。役場の正面玄関の前に、本多静六博士の銅像が建っていた。長い髭を生やし貫禄のある立派な顔立ちの胸像だ。
 館内に入り、エレベーターに乗ると、丁度顕彰会の会長とお会いした。五階の記念館に案内され、説明を受けた。
 多少の内容は一月九日のブログにも書いたが、本多静六博士は知れば知るほど凄い方だ。
 毎日一ページの原稿を書き続け、生涯で三百七十冊の本を残している。
 毎月給料の四分の一を貯金し、更に投資によって数百憶円の財産を築いた。しかも「子孫に美田を残さず」と言って、退職を期に殆ど全てを匿名で公共機関などに寄付してしまった。
 日本の公園の父と言われるだけあって、北海道から九州まで全国数百の公園の設計や改良に携わっている。私が行ったことのある場所だけでも明治神宮日比谷公園日光東照宮、水戸の偕楽園、前橋の敷島公園、埼玉の大宮公園羊山公園、伊佐沼公園、長野の臥竜公園懐古園甲府舞鶴城公園など数え切れない。
 明治神宮は今年丁度百周年を迎えた。博士が百年以上前に意図したように、明治神宮の森は人工の森でありながら、自然に世代交代する森へと見事に生まれ変わった。その記録をNHKスペシャルで放映したので、見たら良いと勧められた。
 本多博士は、ただの理論家ではない。実際自分で実践したことを本に書いているところが素晴らしい。
 印象に残った言葉を並べてみたい。
「施した恩はあてにするな。受けた恩は忘れるな。」
「仕事の面白さは、努力の質と量に正比例する。」
「人生の最大の幸福は職業の道楽化にある。」
「一度引き受けたことは、些細なことほど親切確実にする。」
 博士は折原家に生まれたが、元彰義隊隊長の本多敏三郎の娘である詮子と結婚し婿養子となった。詮子は、日本で四番目の女医となっている。
 また実家の折原家の庭にあった楠と親戚の久喜の白石家(百観音温泉)にあった楠は、明治神宮の表参道入口にある鳥居の両側に移植されている。