家系の盛衰④血は争えない

お題「#おうち時間
f:id:hiroukamix:20200528050114j:plain 代々商売をしていた家があった。子供は三人姉妹で下二人はすでに嫁いでいた。残った長女に婿養子を迎えて、商売を継いでもらった。
 そこに男の子が三人生まれたが、皆芸術家肌だった。三人とも音楽や絵画の道に進んでしまい、誰も商売を継ぐ者はなかった。結局店は畳むことになった。
 家を継いだ長女の先祖には芸術家は一人もいなかった。しかし婿養子の家系には、画家を目指した人や音楽の先生など芸術家肌の人が多かった。
 商家で生まれて、小さい時から商売の環境にいたにもかかわらず、皆芸術の方面に行ってしまうのは血筋としか思えない。
 また「血は争えない。」とか「血は水よりも濃い。」という言葉があるように、血筋は重要だ。
 最近は病院に行くと、親や祖父母、親族の病歴をよく聞かれる。この時は「家系」ではなく「血筋」になる。精神的なものも肉体的なことも、この「血筋」の影響を少なからず受ける。
 最初の例にもあるように、「血筋」の影響を受けるのは、病気だけではない。性格や適性、生き方までも影響を受ける事が多い。
 NHKファミリーヒストリーという番組があるが、それを見ていても、偶然とは思えない血筋の繋がりが何度もあった。
 最近テレビで遺伝子による親子や親族関係の調査についての番組を見た。実の親子と思って40年生きて来たが、どうしても腑に落ちない点があり、遺伝子調査を依頼した。すると驚いた事に、実の親子ではなかっただけではなく、国籍も違った。実際の家族と40数年振りの涙の再会をして定期的に会っているという。やはり血は水よりも濃いようだ。
 勿論血が繋がっていなくても、実の親子と同じくらい、或いはそれ以上の関係もある。リンカーンは実のお母さんも立派な方であったが、継母も同じように立派だった。ヘレン・ケラーの場合はサリバン先生との関係が大きな影響を与えた。血筋だけが全てではない事は断っておきたい。

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