⑤「殿、利息でござる!」陰徳に感動

今週のお題「カメラロールから1枚」
f:id:hiroukamix:20200507053553j:plain GW最終日の昨日、テレビで「殿、利息でござる!」という映画を見た。日本映画で久し振りに感動した。何度も込み上げてくる涙を押さえることができなかった。事実に基づいて作られていたので、とても心に響いた。
 初めと後で多くの登場人物の印象が180度変わっていった。その場面が出てくる度に、不思議な感動を覚えた。
 ケチで守銭奴と誰からも思われていた人が、実は一番人々を苦労から救う為に、影で精誠を尽くしていた。また情のない人だと思われていた人が、実は皆のことを一所懸命に考えていた。親に捨てられたと信じてずっと親を恨んでいた主人公が、親の本当の気持ちを知って愕然とした。その差が余りにも大きい。
 話は、今から240年以上前の江戸時代中期の頃。仙台藩の吉岡宿で宿場町の窮状を救った町人達の実際に起きた記録だった。陰徳積善という言葉があるが、まさにそれを実践した素晴らしい行為だ。(写真のまんりょうの花言葉は陰徳)
 磯田道史氏の原作を映画化したものだが、氏の強みは何と言っても、古文書をすらすらと読めることだ。外国語の良書を日本語に訳して紹介する人も多いが、実は古文書で、意義深い内容のものがあちこちの図書館や古い民家に眠っているようだ。それを現代語に訳して紹介することは、とても重要な仕事だと思う。
 古文書の訳が、海外の本の翻訳と大きく異なるのは、時代が違うだけで、私たちの住んでる身近で起こった事実や血の繋がった先祖に関わる話が多いということだ。多くの日本人が関心を持つはずだ。
 この映画は陰徳を積んだ人々の話なので、実に200年以上も多くの人には知られなかった。しかし、こうして映画化されたのは、どんな陰徳も天が見ていることを教えている。人間の真価は、人が見ていない所で何をするかに一番現れると思う。
 知られざるところで、新型コロナウィルスと戦っておられる医療関係の方々を、永遠に天が覚えて下さるに違いない。