今週のお題「カメラロールから1枚」
田植えの季節が来た。つい最近まで茶色の土が見えていたのに、いつの間にかあちこちの田んぼに水が張られている。水を張った田んぼにトラクターで苗が植えられていく。見ていると、あっという間に終わってしまう。便利な世の中になった。最近は無人運転のトラクターまで出現した。
昔は親戚中が総出で、手で植えていた景色があったが、最近は全く見られなくなった。トラクターが入れない山肌の段々畑くらいだろうか。
写真で、苗を投げて植えているのを見たことがある。小澤宏さんという方が写した山梨県の忍野村の風景で「投げ植え」というタイトルの写真だ(すぐ上の写真)。田んぼの中に入らずに、畔からまるでダーツを投げているように、放り投げている。写真を良く見ると、ちゃんと均一に綺麗に苗が並んでいる。写真の右上の方に5つの苗が等間隔で飛んでいるのが見える。凄い技だと思う。何とも大胆な田植えだ。富士山が背後に見える。田んぼに逆さ富士が映っている。今でもそのよう文化が残っているのかは分からない。もしあったら、直接見てみたいものだ。
前の家は目の前が田んぼで、カエルの鳴き声が凄かった。一晩中カエルの合唱でうるさかったが、越してから悩まされずに助かった。昨日田んぼの隣を通った時はカエルの大きな鳴き声があちこちから聞こえた。知らない間にオタマジャクシが孵っていたようだ。
すぐそばに、田園風景が広がっている。苗が植えられたばかりの田んぼは、朝日を映したり、夕日を映したり、青空を映したりする。また風が吹くと表面がキラキラと輝いて湖にさざ波が立っているように見える。夜になって月が映った田んぼは特に風情があって良い。千変万化な景色を見せてくれる今の時期の田んぼが好きだ。
