生命力が旺盛な雑草


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 近くに小学校があるが、ずっと休校中で子供たちの姿はない。広い校庭は毎日ガランとしている。八重桜が寂しそうに咲いている。校庭の隅に花壇がある。1メートルほどの四角い枠の中にプリムラとパンジーが植えてある。赤、黄、紫、橙、色とりどりの花が綺麗だった。最近まで目を楽しませていたのに、昨日気が付いたら草に覆われていた。ほとんど草で見えない状態だ。これでは花が可哀想だ。
 しかし草にも草の言い分がある。草も生きる権利がある。草の生命力は旺盛だ。あっという間に伸びる。
f:id:hiroukamix:20200424054352j:plain 子供の頃に、山の畑の草取りをよく手伝った。朝からしゃがんで延々とむしり続ける。膝は痛くなるし、気が遠くなる作業だった。それでも母は黙々と草取りをしていた。
 何日か過ぎてから畑に行って見ると、露草などは抜いたはずなのに、また根を張って涼しい顔をして生えていた。たくましい草であり、厄介物だった。再び草との格闘が始まる。
 何故草など生えて来るのだろう、と恨めしかった。良く考えてみると、草の中にも存在価値があるものも多い。薬草はその最たるものだ。春と秋の七草もある。ヨモギなどはお饅頭に欠かせない。私の大好物だ。
f:id:hiroukamix:20200426170347j:plain 花が綺麗な草も多い。タンポポシロツメクサ、アザミ、など。草花と言われるものは問題ない。いわゆる雑草と呼ばれる草が問題だ。
 しかし、雑草にも役に立つことがあるらしい。砂漠化した土地に木を植えた後、雑草が生えると土の中の水分の蒸発を防ぐことができるようだ。自然農法で果物を栽培する時には、雑草の根が土を耕してくれるという。
 雑草も使い方によってはまんざらでもないようだ。刈っても伸び、抜いても生えてくる雑草のようにたくましく生きねばならない今の世の中かも知れない。

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