もう十年以上も前のことだ。韓国に行ってタクシーに乗った。ラジオから韓国語の歌が流れていた。聞いたことがある歌で嬉しかった。ところが喜びも束の間、タクシーが走り出したら、恐怖で歌のことなど吹っ飛んでしまった。街の中の普通の道なのに、100キロ以上でビュンビュン飛ばすのだ。怖くて取っ手にしがみついて、必死に無事を祈った。本当に驚いた。
あとで、韓国人の知人から聞いたジョークがある。
「タクシーの運転手と牧師、どちらが天国に行くか？答えはタクシーの運転手。何故かと言うと、牧師が教会で話をしている時は、皆居眠りをしているが、タクシーに乗っている客は、皆必死に神に祈りを捧げているからだ。」
まさに、その通りだった。私も怖くて、必死に祈った。
「神様、どうか事故にならないように助けて下さい。お願いします。」
目的地に着くまで、ずっと祈り続けた。二度とタクシーには乗りたくないと思った。
その後、韓国でバスに乗った時に、交差点でタクシーと衝突したことがある。客を放って、バスの運転手は、タクシーの運転手と大声で怒鳴り合っていた。
聞くところによると、信号が青か赤かが問題ではなく、どちらが先に交差点に入ったかで口論していたという。先に入った方が勝ちらしいが、声の大きさも重要だったようだ。
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by ホンダアクセス
