忘れた頃に幸せを運んでくれるワイルドストロベリー

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 朝ベランダに出て植物たちに水をやろうとしたら、甘くて心地良い香りがプーンと漂ってきた。もしかしたら、と思ってワイルドストロベリーの葉っぱの下を覗いてみると、案の定真っ赤な実が三つ付いていた。葉っぱで気が付かなかった内に実が十分熟していた。一つは水分が抜けて赤黒い種の塊になっていた。
 船橋に職場がある時に、職場の屋上花壇で栽培していたワイルドストロベリーが、同じように水分が抜けて種の塊になったのを持ち帰り、ポットに撒いたものだ。
 ワイルドストロベリーは、ほぼ一年中実を付ける。さすがにワイルドだけあってたくましい。実は小さいが香りは強く、味もぎゅっと締まっている。数株しかないので、一度に少しずつしか実を付けない。十分に熟してから小さなビンに入れて冷凍室に入れ、いっぱいになったらジャムにしている。と言っても、いっぱいになるのに半年も掛かる時がある。年に二回か三回しか作れない。パンに付けて食べると最高に美味しい。贅沢な味だ。
 冷凍室からビンを取り出して、二粒入れた。まだ底の方にちょっとしかたまっていない。熟し切って種の塊になったものを空いているポットに撒いた。来年また芽を出すに違いない。今年初めに撒いた種もだいぶ大きな苗になって、もう直ぐ実が成りそうになってきた。少し気が遠くなる話だが、忘れた頃に喜びを運んでくれるお気に入りのワイルドストロベリーだ。