自作のおやつ 干し柿

今週のお題「好きなおやつ」
f:id:hiroukamix:20200927054350j:plain ここ数年毎年10月になると、知人から渋柿を頂きます。一昨年までは焼酎で渋抜きをして食べていました。去年初めて干し柿に挑戦してみました。
 10月はまだ暖かいので、カビ対策が必要でした。扇風機を使えば部屋の中でもカビずに簡単にできると聞いて、押入から扇風機を出してきました。
 50個くらい渋柿の皮をむき、紐を付け、熱湯に5秒くらい浸けて殺菌しました。そして普段服を掛けているパイプからハンガーを外して、そこに柿を吊しました。扇風機で24時間満遍なく全ての柿に当たるように風を送りました。1日過ぎると表面が乾いて良い感じになってきました。2日目も順調に干し柿らしくなっていきました。しかし、3日目に3分の1くらいがカビていました。
 話が違う、これでは全滅ではないか、とショックで立ち上がれなくなりました。捨てるしかないのかと諦めようと思いましたが、柿を良く見ると、カビはまだ表面の少しだけでした。諦め切れず、カビを全て綺麗に取り除いて、30秒以上煮沸殺菌をしてみました。あとは祈る思いで毎日観察しました。すると、今度は一週間経ってもカビは全く生えませんでした。殺菌が足らなかったのでしょうか?
 一つ一つ柿全体を毎日良く揉んで、更に一週間干しました。最後までカビが生えることはありませんでした。試しに一つ食べてみましたが、カビの臭いもなく、とても美味しかったです。
 一つ一つラップに包み、チャックができる袋に入れて冷凍室に保存しました。何の問題もなく、1ヶ月近く楽しむことができました。
 今年もあと10日程で渋柿が届きそうです。楽しみに待っているところです。今年はしっかり煮沸殺菌をしてカビないように気をつけようと思います。

自作のおやつ 干し芋

今週のお題「好きなおやつ」
f:id:hiroukamix:20200926063333j:plain 毎年自分で作るおやつが数種類ありますが、今日はその一つ目の話です。二つのおやつに共通しているのは、網に入れて干して作ります。二つともまだ季節ではありませんが、もうすぐです。共に買うと比較的高価ですが、自分で作ると安価です。
 まずは干し芋です。川越ではサツマイモの事を「十三里」と呼びます。「栗より旨い十三里」という言葉があります。「九里(くり)」と「四里(より)」を合わせると「十三里」になります。
 美味しそうなサツマイモを買ってきます。圧力鍋に水を注ぎ、蒸し板の上にサツマイモを乗せ、沸騰してから10分ほど蒸して、火を止めます。サツマイモが冷めてからスティック状に切ります。百均で買った乾燥用の網に入れて、3日間続けて晴れる日を選んで外で干します。これでお仕舞いです。誰でも簡単に作れます。冷蔵庫や冷凍室に保存して、長く楽しむ事ができます。
 固くて冷たいので、オーブントースターで温めると柔らかくなります。毎日食べ続けても飽きないおやつです。もう少し待たなければならないと思います。

鳥たちの落ち穂拾い

今週のお題「おじいちゃん・おばあちゃん」
f:id:hiroukamix:20200925054443j:plain 稲刈りが終わったばかりの田んぼに、白鷺が一羽歩き回っていました。こぼれた稲を探しているのでしょうか。
 白鷺は鶴を小柄にして、更に痩せたような体をしています。くちばしも首も足も長く見えます。この辺りの田んぼで良く見かけます。立っている時はとてもきゃしゃに見えますが、空に飛び立つとたくましく感じます。
 地名や姓に鷺と付けられているのを聞きますので、昔から日本では馴染み深い鳥でしょうか。
 国宝の姫路城も白鷺城と呼ばれています。とても名誉な鳥だと思います。
 白鷺のいる田んぼを後にして、しばらく行くと、別の田んぼに烏と鳩と雀が数羽づつ仲良く落ち穂拾いをしていました。
 今の時期が一番狙い時です。暫くすると、トラクターでかき混ぜられて、折角の落ち穂も地面の下にもぐってしまいます。
f:id:hiroukamix:20200925054524j:plain「落ち穂拾い」と言えば、ミレーの絵が有名です。旧約聖書のルツ記をモチーフにした絵ですが、貧しい人々の為に、敢えて稲を全部刈り取らずに残して上げる優しい気遣いが背景にあります。
 日本の田んぼにも、鳥たちの為に稲を残して上げる優しい気遣いがあるのかもしれません。

お蚕(かいこ)さんとお祖母ちゃん 

今週のお題「おじいちゃん・おばあちゃん」 
f:id:hiroukamix:20200924055407j:plain 子供の頃にお蚕さんを飼っていました。シルク(絹)を口から出してくれる蛾の幼虫です。家の2階はお蚕さん専用のスペースでした。大きな梯子を昇って2階に上がりました。
 木の床の上にござが敷いてあり、その上でお蚕さんを育てました。最初はごま粒くらいだったのが、桑の葉っぱを食べて、どんどん大きくなりました。
 山に桑畑があって、細い山道を登り降りしながら背負子を背負って桑を運ぶ手伝いをよくしました。
 白いお蚕さんの体が段々と透き通って来ると、糸を出します。透き通ったお蚕さんだけ選ぶことを「ひき拾い」と呼んでいました。四角い小さな枠が沢山ある50センチ四方くらいの枠にそのお蚕さんを入れます。するとお蚕さんは枠の中で繭(まゆ)を作ります。
f:id:hiroukamix:20200924055434j:plain 繭を作り終えると、枠の中から繭を出す「繭かき」をします。「ひき拾い」や「繭かき」の時は、子供達も総動員で手伝いをしました。お祖母ちゃんは、この繭かきの名人でした。慣れた手つきで、目にも止まらぬ早さで枠の中から繭を出します。繭が山のように積まれると白い大きな袋に入れます。
 繭かきが終わると四角い枠を畳んで、忙しかったお蚕さんの仕事が一段落します。しかし、お祖母ちゃんの仕事は更に続きます。
 繭の形がいびつだったり、シミが付いた繭などを集めて、お祖母ちゃんは糸巻き車で絹糸を作っていました。
 繭をお湯で茹でた後、糸の先端を引き出すと繭がクルクル回りながら糸が巻かれていきます。一つの繭から延々と糸が出て来るのを見ているのが面白かったです。たった一つの繭から1500メートルくらいの糸が出るのだそうです。その糸を撚って裁縫用の絹糸にしていました。お祖母ちゃんに代わって針にその糸を通すのがいつも私の仕事でした。

彼岸花と1300年

f:id:hiroukamix:20200923053232j:plain 毎年お彼岸になると、待っていたかのように彼岸花が咲きます。曼珠沙華とも言います。全く気配もないのに、彼岸が来ると突如として出現するから不思議です。一晩でいつの間にか現れます。
 日高市巾着田というところがあります。高麗川が180度曲がって巾着のような地形になっています。そこに彼岸花が群生しています。真っ赤な花がところ狭しと見事に咲き誇ります。
f:id:hiroukamix:20200923053257j:plain コスモスも共演して、とても美しい景色が広がります。更に水車小屋が懐かしい雰囲気を醸し出してくれます。
f:id:hiroukamix:20200923053326j:plain 彼岸花は芸術的な形をしています。見ていて厭きない花です。種はできずに、球根で増えます。
 巾着田の近くに高麗神社があります。高句麗から渡って来た高麗王若光(こまのこしきじゃっこう)という人の子孫が代々神主をしています。716年に関東一円の高句麗人が1799人この地に集められて高麗郡がつくられました。
f:id:hiroukamix:20200923054309j:plain 2016年に1300年祭があり、1799人の祈願者を募っていました。知らずに妻と訪ねて、その中に入れて貰いました。タイムカプセルに入れて、10年後に開封するという事でした。
 今頃丁度、巾着田彼岸花もコスモスも見頃ではないかと思います。あの美しい光景が蘇ってきます。

自分が修行して成仏するのが本来の彼岸

今週のお題「おじいちゃん・おばあちゃん」
f:id:hiroukamix:20200922054925j:plain 今日はお彼岸の中日です。「彼岸」は向こう岸という意味です。悟りを開いた仏の世界が「彼岸」です。凡夫が修行をして、煩悩から解脱して、仏になって「彼岸」に行きます。
 それに対して、煩悩に苦しむ凡夫の世界は「此岸(しがん)」です。こちら岸という意味です。今私達が住んでいる世界の事です。
 仏の世界を極楽浄土や西方浄土といいます。彼岸の中日は、太陽が真西に沈むので、昼と夜の長さが同じになります。西方浄土に成仏することを願って、彼岸が始まったといわれます。
 お彼岸と言うと先祖供養のイメージがあります。しかし煩悩から解脱して仏になるのは先祖ではなく、この世にいる私達です。
 本来のお彼岸は私達が仏に近づく為に修行する期間だそうです。それを六波羅蜜と言います。お彼岸の一週間毎日何の修行をするかも決まっています。
 一日目は布施といい、人の為に尽くす事です。二日目は持戒といい、規則を守り良い生活習慣をつくる事です。三日目は忍辱といい、目標や願いを達成する為に忍耐する事です。四日目は精進といい、幸せに向かって前向きに生きる事です。五日目は禅定といい、ありのままの自分の姿や周囲の事実を見つめる事です。六日目は智慧といい、人として正しい道を学ぶ事です。
 お彼岸は7日間ありますから、六波羅蜜では1日足りません。お彼岸の中日は先祖の為にお墓参りに行きますから、その前後の6日間で六波羅蜜の行をするようです。
 本当は365日が修行ですが、せめて年に2回だけでも自分磨きをしましょう、というのがお彼岸の始まりのようです。

姨捨山

今週のお題「おじいちゃん・おばあちゃん」
f:id:hiroukamix:20200921060352j:plain 以前よく長野と新潟を行き来する機会がありました。その時必ず篠ノ井線に乗りました。冬は雪をかぶった山や林などの景色が好きでした。
f:id:hiroukamix:20200921060426j:plain 篠ノ井線の途中に姨捨という駅があります。私はその駅の近くから見る景色が大好きでした。見晴らしの良い標高500メートルの高台にあり、山に登ったような気分でした。姨捨は「日本三大車窓」に数えられる所です。善光寺平の美しい盆地が見えます。
 しかし、目に見える素晴らしい景観とは裏腹に、耳に聞こえる「姨捨姨捨」という車掌さんの声に、何とも嫌な思いも伝わって来ました。
 地名まであるという事は、「姨捨山」の伝説は本当にあったのだろうかと思いました。そこで調べてみました。
 殿様のお触れで役に立たない老人を山に捨てる風習があったようですが、老人の知恵に救われた殿様が反省して、お触れを撤回した話がありました。
 また、帰り道で息子が迷わないように木の枝を折った事を知って、泣いて母親を家に連れ帰った息子の話もありました。
 更に、子供を連れて親を捨てに行き、籠も置いて来ようとしたら、子供が「自分がおとうを捨てる時に籠が必要なので、籠は持って帰ってくれ。」と言われて、驚いた息子が母親を連れて帰った話もありました。
 いろいろとありますが、どの話も父母や老人を大切にするという事で落ち着いているようです。少し安心しました。
 もう20年以上姨捨方面には行っていませんが、またあの美しい景色を見たいものです。