四千万年かけて創った息をのむ絶景(3/3 ラスベガス)

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 グランドキャニオンに行く途中に、フーバーダムを見学した。巨大なダム湖ができていた。ミード湖という。日本中のダムの水を全部合わせても、フーバーダムの水より少ないという。ミード湖は釣りやレジャーで賑わっていた。
 フーバーダムの周りには山や川以外に砂漠しかない。ダムを造る労働者たちが、休みに特にすることがないので賭けごとを始めた。すると酒屋もできた。ダムから砂漠に電気が引かれた。それで造られた街が、ラスベガスだ。
 最初はマフィアが仕切っていたので、一般人は中々行けなかったようだ。今では家族連れも多く見かける。
 ラスベガスの空港に着くと、ずらっと並んだスロットマシンが迎えてくれた。まさにギャンブルの街だ。
 しかし、ただそれだけではなかった。街全体がテーマパークになっている。街のど真ん中で、ジェットコースターが走っていた。道路の上を、ビルとビルの間をぬって、レールが敷かれていた。
 エッフェル塔凱旋門のあるパリのようなホテル、ニューヨークがテーマで自由の女神のあるホテル、エジプトのピラミッドもあった。世界中の様々なものが見られる。
 一つ一つのホテルに特徴があった。庭に大きな噴水のあるホテルがあった。噴水は二百メートルくらいの長さがあっただろうか。音楽に合わせて、水がダンスをしていた。五十メートルの高さに水が上がるという。とても感動的だった。夜はライトアップもされて更に綺麗だった。いつまで見ていても飽きなかった。見とれているうちに、ついついバスの出発時間も忘れて、皆を待たせてしまった。
 温室のあるホテルもあった。色とりどりの美しい花が植えられていた。普通の花壇ではなく、様々なアレンジがしてあった。夢やおとぎの世界にいざなう飾りも施され、飽きない空間だった。
 天井に、一千万個以上のLEDが四百メートル以上に渡ってついているアーケードがあった。それがスクリーンとなって、映像が映る。上を見上げながら見る。迫力があった。全てスケールが大きい。
 シルク・ドゥ・ソレイユ「オウ」も良かった。前々から、一度是非見たいと思っていたので、嬉しかった。決して期待を裏切らなかった。
 マジックショーも見た。大がかりな仕掛けのマジックは初めてだった。テレビと違って、目の前で見ると、やはり迫力があった。見るもの全てが新鮮で、楽しかった。
 ラスベガスと言えばカジノだ。ここまで来たら、土産話にカジノを一度くらいはしてみなければと思った。全てのホテルの中に必ずカジノがある。ブラックジャックやルーレット、スロットマシンなどがあった。仲間と一緒にルーレットをしてみた。
 最初は当たったり、外れたりの繰り返しだった。何度かやっている内にコツが分かってきた。出た数が掲示板に表示される。それをよく見ると、ルーレットによってクセがあるのだ。クセを計算に入れて、直感を働かせていくと、かなりの確率で当たるようになった。結局三日間で元の五倍以上になった。その代わり、三日間の睡眠が合わせて五時間くらいだった。これでは体がもたない。窓もない部屋で、夢中になって時計も見ないでやっていると、あっという間に時間が立っていた。ここは長居をしてはいけないところだと思った。
 ラスベガスに来て、少しのつもりが、深みにはまって、廃人のようになってしまった人も多いという。
 ゲーム感覚で楽しみ、上限を決めて、なくなったらきっぱりやめるならいいが、失ったものを取り戻そうとしたり、一獲千金を狙うなら、絶対するべきではないと思う。