会いたい人③中村 哲

今週のお題「会いたい人」
f:id:hiroukamix:20200512052558j:plain 中村哲医師は去年の12月4日、アフガニスタンにおいて、車で移動中に何者かに銃撃を受け亡くなった。
 恥ずかしながら、この事件が起こるまで中村医師のことはほとんど知らなかった。しかし、凄い方だと知った。
 最初はアフガニスタンを中心に、海外医療の救援活動をしていた。しかし現地の問題は病気よりも、空腹と汚い水だった。
 そこで医師でありながら、経験のない土木や農業の為の取り組みを始めた。まず井戸掘りに挑戦した。1本、2本から始まって、次々と1500本以上の井戸を掘った。多くの村の人々が清潔な水を飲めるようになった。
 次に食糧を得る為に、灌漑用水路を作った。田畑が潤い、約65万人の農民が暮らしていける基盤を作った。
 現地の住民が自分で用水路を作れるように、学校やモスクも建設した。35年の長い戦いだった。
 しかし、それは簡単ではなかった。砂嵐、洪水、熱中症などの過酷な自然との戦いに加えて、争い、誘拐、裏切りなどの人為的な妨害も凄まじかった。元ゲリラ部隊長だった現場監督が、戦場よりも壮絶な事業だったと漏らした。
 お陰で、農業、酪農、医療、教育などの恩恵を現地の多くの人々が受けられるようになった。
 このような立派な方を襲った非情な凶弾が恨めしい。日本人として誇らしい中村医師とお会いして、
「お疲れ様でした。あなたのことは永遠に忘れません。」
と慰労と感謝の言葉を伝えたい。