神様の愛「イルミネーション」


 いよいよ12月になりました。クリスマスが近づくと、あちこちの木などにイルミネーションが点灯します。とても明るく楽しい気分になります。
 光にちなんだ話をいくつか思い出しました。
 日本に三重苦のヘレン・ケラーが来たときに、記者会見がありました。ある記者がヘレン・ケラーに質問をしました。
「あなたの信ずる神様が、たった一つ願いを叶えてくれるとしたら何を願いますか?」
 質問した記者は「目」か「耳」か何を願うだろうかと思ったそうです。
 するとヘレン・ケラーは答えました。
「私の神様が一つだけ願いを叶えてくれるとしたら平和を、世界に平和を願います」
 さらに、ヘレン・ケラーは、ひとことつけ加えました。
「あなたのかかげているともしびを、もう少し高くかかげてください。そうしたら、もう少し遠くまで明るく照らします」
 この言葉は聖書の中の
「あなたがたは地の塩、世の光である」
 というイエスの言葉を引用したものです。
 仏教にも「一隅を照らす」という言葉があります。天台宗の開祖、最澄上人の言葉です。
「ひとりひとりが自分が今いる場所で、自らが光となり、周りを照らしていくことが、私たち本来の役割です。それが集まることで世の中がつくられます」
 という意味があるそうです。
「貧者の一灯」という話もあります。金持ちが大金の布施をして灯した大きなともしびは風で消えてしまったのに、貧者のわずかな布施のともしびは最後まで消えなかったといいます。形よりも真心が大切という教訓があるようです。
 光は暗闇を照らします。光は希望であり、愛情です。華やかなイルミネーションを見ながら、たとえ小さくても光を照らす者になりたいと思いました。