古い千年の都 慶州

今週のお題「好きな街」

 日本の京都のようなところが、韓国では慶州(キョンジュ)です。ここは三国を統一した新羅の千年の都でした。
 三回ほど慶州に行きました。特に韓国で一番美しいお寺といわれているのが、世界遺産にも登録されている仏国寺(プルグクサ)です。吐含山(トハクサン)の中腹にあり、立派な石の建築物がたくさんありました。

 門の前のアーチをそなえた階段はとても有名です。韓国紹介のポスターによく登場します。アーチは石を綺麗に並べて見事に築かれていました。美意識の高さを感じました。仏国土に向かう階段また橋として、これほどふさわしいものはないと思います。
 寺院の建物は日本に比べると、とても鮮やかな彩りです。赤や橙色、緑や青などの多彩な色が随所に使われています。

 大雄殿の前にある釈迦塔と多宝塔は最高傑作です。釈迦塔は四角ばっていて格調高く男性的です。多宝塔は曲線美と優雅さがあり女性的です。

 仏国寺を更に上に登って行くと、世界遺産に登録された石窟庵(ソックラム)があります。薄暗い石窟の中に、大きく立派な如来坐像が安置されていました。
 韓国の寺院を訪問して、日本の寺院との違いを幾つか感じました。韓国の寺院は、街の喧騒から離れた、山の中の静かなところに多くあります。また、韓国人が訪れる目的は、観光というより、お経を上げたり、お祈りをしたり、敬拝を捧げる、いわば信心を動機にしている人が多いようです。魂の拠り所として、生活に根づいた仏教だと思いました。

 新羅時代の精神的支柱となった花郎(ファラン)道の聖地に行きました。平野を見下ろす、眺めの良い高台にありました。
 花郎道は仏教の弥勒信仰をはじめ、儒教道教の影響を受け、仁愛や忠節、信義を徳目としました。新羅が三国を統一した時の、重要な原動力になったといいます。

 慶州には、その他、東アジアで一番古い天文台や海の中にある王陵、美しい雁鴨池、国立公園、普門湖リゾートなど見所がたくさんあります。