偉人の母④三井高利の母殊法

f:id:hiroukamix:20200605060155j:plain 三越デパートが創業したのは、今から約350年前に遡ります。三井越後屋という呉服屋から始まりました。三井財閥の創業者は三井高利となっています。父高俊は武士の子で商売に関心がなく、伊勢の大商家の娘だった母殊法の影響が大きかったようです。母は夫が亡くなり出家してからの名前である殊法としか分かりません。 
 殊法は子どもたちに江戸や京都、大阪に呉服や両替の商売を興させ、これがのちの三井家の祖となりました。
 高利がまだ14才の時に母は、お金ではなく、10両分の木綿を渡して、これを20両にするか、30両にするかはお前の腕次第と言って、修業をさせたといいます。
 幼い時から高利は母から英才教育を受けていたようです。高利は感性が鋭く、本物と偽金を瞬時に見分けたといいます。ある人が、どうやって育てたのかを母に聞くと、本物しか触らせない、と答えたそうです。
 高利がしていた薄利多売や特価販売などの商売の手法は、母から教わったものばかりだといいます。現在にも通じるやり方を、すでに350年も前に実践していたのは凄いことです。三井財閥の本当の創始者は高利の母殊法かもしれません。