ダルマストーブで蒸した弁当

今週のお題「お弁当」
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 社会に出てから弁当には縁がありませんでした。いつも職場で昼ご飯が準備されました。しかしコロナになってから、弁当持参が始まりました。愛妻弁当です。毎日工夫をして、栄養のある弁当を作ってくれます。弁当と言えば、小学生の頃を思い出します。
 小学校の弁当は毎日母の手作りでした。麦ご飯全体の上に、鰹節を載せ、醤油をかけ、その上に海苔を載せたものが好きでした。時には、更にその上にご飯と鰹節と海苔を載せた二段ベッドが最高の贅沢でした。
 冬になると、教室の中には石炭で燃やすダルマストーブがありました。順番で当番が来ると、朝早く学校に行って、皆が登校して来るまでに教室を暖めなければなりませんでした。中々石炭に火が点かないことがあり、また寒いのが大嫌いな私は、当番の日が憂鬱でした。
 担任の先生が、油の入っていた四角いブリキの一斗缶を持ってきました。缶の上のほうをくり抜いて、底に簀の子を敷き、水を少し入れました。その中に皆の弁当を入れてストーブに載せて蒸しました。お昼の頃には熱々の弁当ができ上がっていました。いつもお弁当の匂いが教室中に漂って、食欲をそそっていました。
 その小学校も、残念ながら廃校になってしまいました。