今週のお題「下書き供養」
こんな粋なテーマを頂けたのは幸いです。幾つか日の目を見なかった文章があるので、この機会に放出しようと思います。
子供の時に、4月頃になると毎年花見をしました。花見と言っても、公園や川辺ではありませんでした。近くの山に山桜や山ツツジを見に行くことでした。
天神山、兜岩、稚児落としという山が目の前にありました。岩の間や道の途中に山ツツジや山桜が咲いていました。
しかし本当は、花見はどっちでも良かったのです。おにぎりやおやつを持って、近所の仲間たちとワイワイ騒ぎながら、楽しく山登りをするのが目的でした。山と川しかない田舎なので、山登りは大きな楽しみでした。
山の上から見下ろす景色も格別でした。家々も車も村も全てが小さく見えました。自分が大きくなって、天下を取ったような気分を味わいました。いつも山に囲まれた狭い空間に閉じ込められていたので、開放感を味わいたかったのだと思います。
実家はすぐ目の前が山なので、10時頃に日が上り、午後の2時頃には日が沈んでしまいます。冬に雪が降ると、中々溶けませんでした。
山に登ると、遠くにも山が見えます。すると、その山の向こうも見たくなってしまいます。そうやって、あちこちの山に登りました。富士山にも勿論登りました。
今は花見と言えば、公園や川の土手です。山の花見にまた行ってみたい気がします。