まるで映画のような人生

今週のお題「最近見た映画」
f:id:hiroukamix:20201107070319p:plain 以前「ショーシャンクの空に」という映画の感想を載せました。無実の罪で牢屋に入れられた主人公が何年も掛かって脱獄する話です。
 昨日80代の老婦人と会い、話を聞いている内に、「ショーシャンクの空に」を思い出しました。その婦人は結婚生活が牢獄のようだったそうです。嫁いでから舅がずっと家の外に一歩も出させてくれず、夫の給料も全て舅が管理して、1円のお金も持たせてくれなかったそうです。
 郵便屋さんと話していた時に舅が帰って来て、「お前、浮気しただろう。」と嫌疑を掛けられ、往復ピンタを食らったり、殴る蹴るが日常だったそうです。
 耐えきれずに、着の身着のまま実家に逃げ帰りました。半年は実家の親も居させてくれましたが、出戻りがいると弟妹達が結婚できなくなると言われて、やむなく再び嫁ぎ先に戻ったそうです。
 それからは内職するのを舅が許可してくれたそうです。しかし今までと同様に家から一歩も出してくれないので、買い物はできません。食材も服も下着も全て舅の息子である夫にさせたそうです。夫はただ舅の言う事に従っていたそうです。
 再び牢獄生活が始まりました。婦人は「牢獄」からの脱出計画を立てました。内職のお金が貯まったら家を買って出るという計画でした。その後も牢獄生活は続きましたが、お金が貯まったら「脱出」できるという希望をずっと抱いていたそうです。8年間内職を続けて700万貯まった時に、いよいよ脱出を決行したそうです。
 夫に家を探してもらい、舅の留守の日に引っ越し屋に大型トラックを手配して、家族で家を出ました。それを知った舅は真っ青になったそうですが、あとの祭りです。
ショーシャンクの空に」の主人公アンディは約20年間ロックハンマーで壁を掘り続け、脱獄しましたが、この婦人は8年間せっせと内職を続けて「脱獄」しました。結婚後初めて束縛から解放された喜びを味わったそうです。
 普通なら舅を恨んで終わりますが、この婦人は舅が寝た切りになってからは引き取り、最後まで下の世話をしたそうです。舅からは「悪かった。済まない。有り難う。」と感謝されたそうです。中々できない事だと感心しました。