②生きようとする者は死に、死のうとする者は生きる

今週のお題「読書感想文」
f:id:hiroukamix:20200830053948p:plain 一人目は「塩狩峠」という映画を見た時に出会いました。これは「長野政雄」という方の実際にあった出来事を三浦綾子が小説にして映画化したものです。
 それは冬の北海道で起こりました。旭川近くの塩狩峠蒸気機関車が越える時に、客車が機関車と切り離されてブレーキが利かずに暴走しました。その先には急カーブがあり、深い谷がありました。このままでは谷底に落ちて、多くの人が犠牲になります。
 映画の主人公永野信夫は、線路と客車の車輪の間に身投げして客車を止めて亡くなりました。ふじ子という女性と何年も前に結婚を約束しながらも、病気の為に延びていた結納を、ようやく交わす日の朝の出来事でした。
 この映画を見た時に、あの丸太につかまっていた青年が手を放して、老人を助けた場面がふと浮かんできました。
 自分が同じ列車に乗り合わせていたとしても、自分には絶対できないだろう、と思いました。とても衝撃を受けました。崇高で清らかな命に触れた感動を覚えています。色々と考えさせられました。
 永野信夫は地上からいなくなりましたが、永野信夫の魂と精神は永遠に残っている、と思いました。実際小説や映画になる事により、その生き様は多くの人々の心に刻まれました。
 ある意味で永野信夫は死んでいない、と思います。聖書に
「自分の命を救おうとする者は、それを失い、それを失う者は、保つのである。」
という言葉があります。永野信夫 の肉身は亡くなっても、その崇高な行為は永遠に残っています。
 例え長生きしても、忘れ去られていく人は多くいます。人生はどれだけ長く生きたかではなく、どのように生きたかが大切なのだと思いました。
 
続く