怖い話⑥蜂の一撃

今週のお題「怖い話」
f:id:hiroukamix:20200820053237j:plain 10年ほど前、所沢に住んでいた時の事です。家の2階ベランダの屋根の下に、いつの間にか小さな蜂の巣ができていました。妻が洗濯物を干す時に怖い、と言うので取り除く事にしました。
 子供の頃、よく家の2階の屋根の下に大きな蜂の巣ができました。父は、長い竹竿の先に新聞紙を付けて火で燃やし、蜂の羽を焼いて退治していました。蜂の巣の中には蜂の子が沢山いましたが、池の鯉に上げると群がって先を争うように食べていました。
 さて、ベランダの蜂の巣の駆除に挑戦しました。竹竿と火ではなく、ジェット噴射ができる殺虫剤を使いました。蜂の巣の周りには、数匹の大きな蜂がブンブン飛んでいます。蜂に気づかれないようにして、2メートルくらい離れた所から、蜂を目掛けて殺虫剤のボタンを押しました。すると、巣から少し離れた所で見張りをしていた一匹の大きな蜂が、私に向かって猛スピードで突進して来ました。一瞬の事で、避ける余裕はありませんでした。
「痛いっ!」
 私は眉毛の当たりを刺され、一目散に階段を駆け下りて、1階に逃げました。刺された所は腫れ上がり、痛くてヒリヒリしてきました。薬を塗って一時休戦です。
 まだ蜂の巣が残ったままです。再度挑戦しなければなりません。しかし、蜂に2度刺されると、ショックで死ぬ場合があるという記事を読み、少し怖じ気づきました。次は絶対に失敗できません。命懸けでした。
 また2階に上がり、ベランダに出ました。見張りの蜂がいないのを何度も確認して、巣に止まっている蜂に向かってジェット噴射をしました。今度は蜂に命中しました。
 数日間はお岩さんのような顔をしていました。次からは、蜂の巣の駆除は専門家に任せるのが良いと教訓を得ました。