言葉の力⑥背後の動機や心

f:id:hiroukamix:20200709054235j:plain「初めに言葉があった。」
と言いながら矛盾するようですが(実は矛盾しません)、言葉よりも先にあるものがあります。
「言葉」は「心の葉」を縮めたものだとも言います。即ち、心に根があり、茎を通って、口から出て来たものが言葉です。
 その意味では、「心にもない事を言う。」のはあり得ないようです。心の底にあった感情が、油断した時にふと口をついて言葉に出て来てしまうのかもしれません。
 言葉は心や気持ちを形として表現したものです。ですから言葉を聞いた時に、言葉の背後の動機や気持ちまで遡らないと、相手の言葉を正しく理解できません。子供が
「ママのバカ。」
と言っても、本当にそう思っている訳ではありません。何か不満があって言っている事が多いです。
「弟ばかり可愛がっている。」
「仕事ばかりで遊んでくれない。」
「約束したおもちゃを買ってくれない。」
など、「バカ」に込められた「気持ち」があります。しかし子供は語彙が少ないので、「バカ」の一言に集約されてしまいます。
 言葉の背後に動機や心がある事を忘れると、言葉の表面だけを聞いて誤解が生じます。特に子供の言葉は「翻訳」しないと、真意が理解できません。
 ですから言葉は言霊(ことだま)と言うのかもしれません。