英語④締切ぎりぎりに提出した卒論

f:id:hiroukamix:20200324050749j:plain 私は大学で電気工学を学んだ。卒業論文提出の最終日のことだった。締め切り時間まで、あと一時間しかなかったが、まだタイプライターと格闘中だった。主任教授が待ち切れずに、私のいる部屋まで様子を見に来た。
「あと一時間も残っていないが、まだできないのか?」
「まだ途中です。終わり次第お持ちしますので、もう少し待って下さい。」
 そう言って、またタイプライターに向かった。
 五分前にようやく打ち終わった。と思ったら、一ページ目を見ると、いきなり誤字を発見した。直ぐ訂正して、それ以上は見ずに、主任教授のもとへ提出に行った。
 教授はヒヤヒヤしながら待っていた。
「君が最後だ。遅かったじゃないか。」
 少し怒りを含んだような声で言った。しかし論文を見て、急に優しい声に変わった。
「英語で書いたのか。大変だったね。」 
 中身はともかく、電気工学部で英語の卒論を提出したのは私一人だけだった。
 この前正月に実家へ帰った時、卒論のコピーが目に入ったので開いてみた。専門用語も多く、理解しずらかった。よく書いたな、と自分でも感心した。
f:id:hiroukamix:20200324072042j:plain「あっ」
 と思わず叫んでしまった。最後のページに誤字を発見した。今更直してもしょうがない。40年前に英語に挑戦して、格闘した勲章かなと思った。

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