種の不思議⑦

f:id:hiroukamix:20200320042115j:plain 花柄摘みというのがある。パンジービオラ、コスモスやシクラメンなど多くの花に対して、花が枯れたら花柄を摘む。花が咲いた後、そのままにしておくと、種を作る方に養分を取られてしまい、花が咲かなくなってしまうからだ。私もよくやる。しかし考えてみると、これは植物に対して、とても意地悪な行為だ。
 わざと、種を作らせないからだ。種が作れない植物は、子孫を残せなくなるという危機感を感じて、また花を咲かせる。そうやって、花を長く咲かせ続けることができる。
 植物は子孫を残すことに執念を持っている。だから何とか種を作ろう、作ろうと必死だ。それを次から次へと花を摘まれてしまうのだからたまらない。何と意地悪なことを私はしているのだろう、と思ったことがある。
f:id:hiroukamix:20200320042144j:plain 最後にもう一つ、必死に生きる、そんな種さんたちに謝らないといけないことがある。申し訳ないが、私は納豆やナッツが大好きだ。特に納豆は毎日食べる。芽がでる前に、食べられてしまう種さんたちは、何と思っているだろうか。 
 私自身は、
「あなた達の分まで一所懸命に生きるので、許して下さい。私の肉となり骨となって、世の中のお役に立つように一緒に生きていきましょう。」
 と思いながら、
「(あなた達の尊い命を)頂きます。」
 と言って食べさせて頂く。種さんたちの本当の気持ちは分からない。それでも、私は納豆やナッツを食べ続けるだろう。