春の味覚を頂く

f:id:hiroukamix:20200126221338j:plain 二十日は二十四節気大寒、七十二候の款冬華だった。款冬華は「ふきのはなさく」と読み、「ふきのとうが蕾を出す」という意味がある。
 毎年ふきのとうを取っている小川の土手に行ってみた。すると丁度蕾が出たばかりのふきのとうを沢山見つけた。去年は少し遅く取りに行ったので、ふきの花が皆すでに開いていた。今年は皆しっかり閉じていて、頭にとんがり帽子を被った可愛い赤ちゃんのようだった。
 十個ほど摘んで、家に持ち帰った。さっと茹でて、水にさらした後、みじん切りにして、味噌やみりん、酒、砂糖を入れてふき味噌を作った。
 子供の頃は、この苦いふきのとうが大嫌いだったが、いつの間にか大好きな味になった。朝晩の食卓を飾っている。
 家の前の紅梅も、少しずつ花びらが開いてきた。色も形も非の打ちどころがない。開いた花も綺麗だが、蕾も見事だ。最高級の芸術作品だと思った。
 私は毎年梅の花の開花を、首を長くして楽しみに待っている。華やかな桜も好きだが、寒さの真っ只中で咲き始める梅の花が大好きだ。どんな困難や試練の中でも、希望があるよ、と励ましてくれているような気がする。
 大寒を過ぎたばかりで、まだまだ寒さは続くが、ふきのとうと紅梅に励まされて、寒さを吹き飛ばし、春を感じた一日だった。