昨日、久し振りに海を見た。海のない埼玉に住んでいるので、海を見ると心が踊る。
毎日海に釣りに行っていた頃を思い出す。真鶴の桟橋、江ノ島の灯台近くの岸壁、七里ヶ浜、本牧釣り公園、磯子釣り公園、金沢八景、浮島釣り園、城ヶ島の磯、九十九里浜・・・。残念ながら、最近は全く行っていない。
海を見たと言っても、電車の中から本の数十秒だけだ。それでも、様々な海の記憶をかき立ててくれる。
磯子釣り公園で、イワシが回遊してきた時は入れ食いだった。私の両側にいた人たちがサビキ釣り(釣り糸に小さなエビを入れた小さなカゴを付けて、糸をシャクって餌を海に撒いて魚を集める)でイワシを寄せていた。私は何の餌も撒かず、付けずに、糸を垂らすだけで、十本の針に十匹のアジが掛かった。一時間で二百匹以上釣れた。笑いが止まらなかった。
七里ヶ浜では投げ釣りをした。十センチ~二十センチくらいのキスが釣れた。透き通った綺麗な魚だ。天ぷらにすると美味しかった。
真鶴と金沢八景と九十九里は船釣りだった。タイやサバ、カサゴなど色々な魚が釣れた。大漁の日は嬉しかった。わざわざ包丁を買って、自分でさばいて刺身にしたり、調理したが、今はその包丁も全く出番がない。
釣りはじーっと糸を垂れて待つので、気の長い人に向いていると思われ勝ちだ。しかし、実際は気の短い人に向いていると思う。釣れないのに、そのまま何もしないで、糸を垂れていても釣れないからだ。気が短い人は釣れないと、仕掛けを変えたり、餌を変えたり、場所を変えたり、色々と工夫をする。
そうは言っても、今はそんな時間もなく、寂しい限りだ。再び、海釣りに行ってみたい、と海に誘われた気がする。
ところで朝海を見た時に、その右手の方に富士山が見えた。毎日のように家の近くからも富士山は見えるが、海と一緒に見えると、また違った趣があって、別の富士山を見たようで、嬉しい。オマケをもらったような気がした。
更に夜ふっと空を見上げると、綺麗な大きい満月が見えた。余りにも月が美しかったので、思わず暫く見とれていた。二つ目のオマケをもらった。昨日は一日中、最後まで得をした気分だった。