毎日大きな肉の塊をがぶり

今週のお題「いい肉」
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 南米のウルグアイに行った時、毎日牛肉が食べ放題だった。この国は、牛の数が人間よりも多い。空港から宿泊先に向かう道の途中に、桁外れの広い牧場があった。牧場と言うよりも、大草原がどこまでも広がっていた。無数の牛が放し飼いにされていて、のんびりとした雰囲気だった。
 朝食は毎朝バーベキューで、庭で食べた。大きな肉の塊を網の上に乗せて、焚き火で豪快に焼いていた。このような焼き肉をウルグアイではアサードというそうだ。肉の塊から自分で好きなだけ切り取って、かぶりついた。その肉の旨いことと言ったらない。少々固くて噛みごたえはあったが、噛めば噛むほど美味しい味が出てきて幾らでも食べられた。牛肉の他に、スイカも食べ放題だった。
 行ったのは十二月の末だったが、南米なので真夏だった。確かに昼間は半袖一枚で十分だったが、夜はジャンバーを着ていても寒かった。一日の中に春夏秋冬があるようだった。
 人々は皆のんびりとしていた。町の中の水道管が破裂して道路に水が溢れているのに、何日経っても直す気配がなかった。誰も我関せず、といった感じた。大きな道路を荷物を引いた馬がゆっくりと走っていた。
 街に行くと、金属の装飾品や珍しいもので溢れていたが、特に革製品が多かった。牛の革だ。肉は食べて、革は鞄やベルト、服などに加工していた。まさに牛の国だった。
 ウルグアイはスペインが治めていた時代が長く、言葉もスペイン語だが、街並みもスペイン風の雰囲気だった。
 驚いたのは川のスケールだ。ラ・プラタ川が流れているが、川幅が百キロ以上もあった。対岸は全く見えない。丸で海だった。茶色く染まった水だった。何度か釣りに行ったが、その翌日は肉と一緒に釣った魚が出た。これも食べ放題だった。名前は忘れたが、さっぱりとした美味しい魚だった。
 広い草原と広い川、そして海もあるので、肉と魚の両方を味わう事ができた。南十字星を初めて見た。様々な思い出があるが、あの牛肉の味は忘れられない。(ウルグアイ旅行の詳しい話は11月1日と2日の「対岸が見えない川」参照)