今日は故郷山梨の昇仙峡に久し振りに行って来た。今まで家族や友人、同僚などと十回以上行った渓谷だ。何度行っても飽きることのない風光明媚なところだ。そして、そこかしこに気のパワーが溢れている。
天気にも恵まれ、過ごし易い一日だった。紅葉にはまだ早いかなと思ったが、やはり早かった。
荒川沿いの散策路を川下から仙娥滝に向かって歩いた。紅葉ではなくても、十分美しい景色だった。
河原には様々な形をした石や岩が目を楽しませてくれた。石の形を見ながら、何に似ているだろうかと想像が膨らんだ。川の流れは勢いがあった。
途中に石門があり、絶妙な石の組み合わせで僅かな隙間で門を築いている自然の芸術に感動した。
昇仙峡のシンボルである覚円峰は見事な佇まいを見せていた。真下から見ると圧倒する凛々しさと気高さがあった。
圧巻は大量の水が一気に落ちてくる仙娥滝だ。遠くまで水しぶきが飛んで来てマイナスイオンを浴びせてくれた。心地良いお湿りだった。丁度太陽が背後にあり滝全体に美しい虹が架かっていた。
自然は誰か指揮者に合わせて一斉に奏でるのでもなく、また皆が同じ動作で揃って踊るのでもない。それぞれが思い思いで自分の個性を発揮しながら、自己主張しているのに、何故か絶妙なバランスで成り立っている。作意がなく文字通り自然体だ。
自然を通して人間が癒されるのは、自然の造形は、力んで作った作品でもなく、無理をして肩が凝るような訓練をしたのでもなく、疲れて倒れるまで特訓をした訳ではないからだと思う。
滝の横の階段を上がって行くと、大きな水晶玉が迎えてくれた。大きなパワーストーンがあっちにもこっちにも置いてあり、強い気を感じた。
店が沢山並んでいるが、どこも貴石の原石や貴石で作った宝飾品がずらりと置いてあった。流石は、宝石生産量日本一の地だ。
昼食に山梨名物のほうとうを食べてから、午後はロープウェイで山の上に登った。雄大な南アルプスの山々を眺めた。遠くに富士山が雲の上に見えた。浮き富士だ。幸せな気分になった。
細い道をしばらく歩くと、花崗岩が風化して白い砂浜のようになっているところがあった。山の上の砂浜は趣がある。
下山してから、ぶどう狩りに行った。ほとんどぶどうの時期が終わって閉店のぶどう園が多かった。その中で甲斐路という品種を栽培しているぶどう園に行った。甲斐路は山梨県で90%以上栽培されている品種だ。糖度が20前後あると聞いていたが、味が薄くて今一つだった。それでも四房食べた。楽しい一時を過ごすことができた。
山梨よ、秋の長閑な一日を有り難う。